【ネタバレ注意】セブンスドラゴンシリーズの感想
◆総評
シナリオ:7/10
BGM:7/10
ゲームシステム:7/10
バトルシステム7/10
◆シナリオ
全シリーズを通じて
全4シリーズ共通して、 基本的に「人 VS. ドラゴン」の構図で物語が進んでいく形になる。のだが、初代「セブンスドラゴン」の説明書でドラゴンが何たるかについて盛大にネタバレされているのがちょっと気になった笑。説明書の説明を超える何かがあるかと思いきや、それが初代では物語の終盤に満を持して語られるという謎展開。「いや、それ知ってますけど…」と思わざるを得なかった。
初代ではあまり深い物語を展開する形ではなかったが(考察すれば実は深いのかもしれないが)、PSP版の2020以降では人間ドラマにも力が入っていき、単純にシナリオを追うのが楽しい要素も増えていった。とはいえそれでも設定がめっちゃ凝っている感じでもなくあくまで人間ドラマのような形で収まっているので深く考えなくても楽しめる作りにはなっている。逆に言うと考察が好きな人達にはいまいちなのかもしれない。
全シリーズを通してプレイしたからこそ得られるカタルシス
「エメル」と「アイテル」という二人の名前が全シリーズを通して、「13班」というフレーズが初代を除く3作品で登場する。特に「エメル」に関しては全作品通して味方陣営側に登場するキャラクターであり、最終シリーズである「セブンスドラゴンIII code:VFD」で最期を迎えるシーンでは深い感慨を抱かざるを得なかった。
ただ最終作品で「タケハヤ」が出てこなかったのはちょっと残念だった。できれば何らかの形で登場させて欲しかった。
謎の理屈によるハッピーエンド(全否定するわけではない)
現状最後の作品である「セブンスドラゴンIII code:VFD」を除く3つの作品では「結局このあとどうなるの?」といった終わり方で物語を締める形となっていたのでかなりもやもやしていたので、最後の作品ではどのような終わり方をするのかを結構楽しみにしていた。物語を進めてみると、何かよくわからん理屈でいい感じにハッピーエンドを迎えられそうな展開になり、「え、そういう感じ?」と若干もやもやしていた。
しかしながら、そのもやもや感を全て払拭できたわけではないが、ラスボスを倒した後のエンドロールに入る直前のミオの「おかえりなさい、13班」という音声付きのセリフから主題歌である「ChRøNiClESeVeN」が流れ始めてスタッフロールが流れる展開を見て、「ベタベタだけどこれで良かったんじゃないかな」と思えてしまった。曲が良いんだ曲が。せこい。「ChRøNiClESeVeN」のフルバージョンはかなり良い出来となっているのでサントラを購入して聞いてみることを強くお勧めする。
◆BGM
全体的に渋めのBGMが多く、爽快でかっこいいBGMというのは割と少な目な印象。通常戦闘曲は結構かっこいい曲が多いのだが、システム的に通常戦闘は割と一瞬で終わってしまうことがほとんどなので、BGMを堪能することが全然できなかったのはマイナスポイント。そんな中でもお気に入りな曲は存在しているので列挙したいと思う。
迷宮-密林航行/セブンスドラゴン
渋谷-密林航行/セブンスドラゴン2020
戦場-ライバルアライバル/セブンスドラゴン2020
ChRøNiClESeVeN/セブンスドラゴン III code:VFD
◆ゲームシステム
初代に限ってはあり得ないくらいエンカウント率が高くエンカを消す方法もないため(減らすことはできた)、とてもいいゲームだったとはいいがたかった。しかしシリーズを重ねるごとにどんどん不満だった部分が改善されていき、どんどんプレイしやすいゲームとなっていったのは素晴らしいと思った。やるたびに「そこが不便だと思ってたんだよ!」と感心するほかなかった。
基本的には主人公たちにキャラ付けはないものの、2020以降は主要NPCに関わる人間ドラマが展開されていき物語として単純に見ごたえのあるものとなっていった。特に2020と2020-IIはサブイベントでキャラが深堀されることが多く、サブイベをやるのが苦痛でなくむしろ楽しかった。
◆バトルシステム
このゲーム特有のシステムがあるかと言われると、まぁ特にはない。非常にオーソドックスなコマンドバトルのRPGのシステムだったと思う。3に関していうと、サブパーティという新しい概念が生まれて少し戦略性が増えたが、それでもこのゲームの特異性につながるかと言われるとそうでもなかった。(つまらなかったわけではない)
割と理不尽気味なボスが多いせいで全シリーズ通してエグゾーストごり押しゲーだった感は否めないのは結構大きなマイナスポイント。
◆総評
めちゃめちゃ面白かったわけでもないが、つまらなかったわけでもない。他の人に「4作品是非やってみてください!」とお勧めするほど面白かったわけではないですが、個人的な感想としては迷わず「面白かった」と言えるくらいの作品だったと思います。
要は名作と言える作品だと思います。お時間ある方はプレイしてみてはいかがでしょうか。「ChRøNiClESeVeN」は名曲。